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保育経営の基本を知りたい

    • ライター名:下田寛之
    • 会社名:株式会社船井総合研究所
    • 創業から38年間で約30,000社の経営コンサルティングを行い、業績向上のお手伝いをしてきました。現在500人の社員が約5,000社のコンサルティングに当たっています。

保育事業における環境分析

掲載日:2008年5月 9日

いつもご愛読有難うございます。船井総合研究所の下田寛之です。

前回は、戦略立案に向けて行うフローのうち最初に行うことが、調査・分析であるというお話しをいたしました。

今回は、調査・分析のうち、市場や競合などの外部環境における調査分析の一部を紹介したいと思います。
調査分析を行う際に、まず大事なことは、そもそも自社が行っている事業、もしくは、始めようとしている事業の現在及び将来の市場の大きさがどのくらいあるのかを把握しておかなければなりません。

そして、より正確に把握するために、現在に対して影響を及ぼす可能性が高い要因の分析(ミクロ環境分析)とさらに将来に影響を及ぼす可能性が高い要因の分析(マクロ環境分析)と二つの視点を持っていなければなりません。

物事を考える順序としては、マクロからミクロに落とし込んで考えていく必要があるので、マクロ環境分析から説明して参りたいと思います。

マクロ環境分析を行う際によく使われるフレーム(考え方の枠組み)として、PEST分析がございます。

PEST分析とは、
① Politics(政治的要因)
⇒法規制、政府や関連団体の動向、公正競争など
② Economics(経済的要因)
⇒景気、金利、価格変動(インフレ・デフレ)、貯蓄率、為替など
③ Social(社会的要因)
⇒世論、社会規範、価値観、ライフスタイルなど
④ Technology(技術的要因)
⇒技術革新、特許、技術上のライフサイクル、代替技術など
以上の4つの言葉の頭文字をとったものです。

事業によっては、上記4つでは足りず、
⑤ 人口統計・事業統計
⇒総人口、地域分布、年齢分布、出生率、死亡率、事業所数、事業規模、倒産件数
⑥ 環境
⇒資源、エネルギーコスト、郊外、環境規制

を加えて考えていく必要がございますが、保育事業という特質から、今回は、PESTに加えるのは、⑤の人口統計といたします。

では、保育事業を上記のフレームに当てはめてみると、例えば、
1. 政治的要因
⇒次世代法の施行、待機児童ゼロ作戦など少子化対策に向けた支援活動の推進
2. 経済的要因
所得の二極化
3. 社会的要因
⇒女性の積極的な社会進出
4. 技術的要因
⇒インターネット普及による情報共有の加速化
5. 人口統計
⇒少子高齢化

が挙げられます。

そこで、考えなければならないのが、上記が市場にプラスに働くか、マイナスに働くかです。少子化が加速化する現状において、保育事業は、もしかしたら、マイナス要因の方が大きいのかもしれません。

PEST分析から分かるとおり、女性が積極的に社会進出すれば、女性の仕事と生活のバランス(ワークライフバランス)を支援する活動が各企業において整備されない限り、出生率はさらに減少していくことでしょう。

結果、子供の数は減少していくので、市場は縮小していきます。マイナス要因だけを考えると、保育事業の競争環境は、将来的には厳しくなると考えられます。しかし、皆様もご存知の通り、現状において、保育所はそもそも足りていないのです。

それらの理由により、現在、政府による少子化対策支援が本格化してきたのです。よって、今後は、労働環境の整備されるとともに保育施設の充実化が推進されていくと考えられます。

要するに、市場は、まだ成長期の段階にあり、参入の余地は大きくあります。

しかし、市場があるからといって、保育事業への参入を簡単に決定するのは実は、大間違いです。その理由を次回は説明して参りたいと思います。

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